ラッシュの背後には「それを引っ張る中国側」の存在がチラつく。不動産の回転で儲けていたときは目もくれず、市況が悪くなると「小粒のビジネス」に食指を動かす。日本企業は「当座の穴埋め」とでも思われているフシがある。

 だが、ものは考えようだ。堅実なビジネスをやるには、この時期は悪くはない。バブルの泡が消えようとすると同時に、はたと我に返った中国人経営者たちが「等身大のビジネス」に目を向けはじめていることは確かである。

 自らは絞れないアイディアを日本企業に求め、あるいは高い品質管理能力を日本企業に求めてと、実際に日本企業とタッグを組もうと発想する企業もある。中国人経営者の資金力と判断力、日本人経営者のアイディアや管理能力、互いにないものを埋めることこそ、戦略的互恵関係でもある。しかも「実業の精神」は中国の国を挙げてのスローガンになりつつある今、このマインドは日本の経営者とも共有でき、足並みも揃いやすい。

 2つの会議を経て、「今後、中国経済はどうなるのか」が国民の強い関心事となった。少なくとも彼らは「中国の今後20年は過去30年とは異なる」ということを覚悟するようになった。そんななかで中国は「不動産投機」から「等身大のビジネス」へ、「高成長」から「持続可能な成長」へと経済の軸足を移す。

 この時代の変化がもたらすのはマイナス要素だけではない。民営企業の経営者らの「覚醒」は、むしろ日本企業と絶好のタッグをもたらす可能性がある。「堅実な成長」は、日中経済の共通のスローガンとなるだろう。