総務と副業

 では、総務部員が副業をしたらどうなるのだろうか。副業にもいくつかのパターンがある。本業でのスキルをそのまま他社で活用するパターン。全く違う畑で、本業とは異なるスキルや知識を活用するパターン。中身はともかく、起業するパターン等々。

 本業でのスキルを活用するパターンとして、他社の総務の仕事をしてみるというのはどうだろうか。副業ではなくとも、2社で交換留学するような感じで、他社の総務を経験してみる。多くの気づきと、他社に対しての改善提案ができるのではないだろうか。

 総務で避けたいことは、思考停止であり、前例の踏襲だ。常にゼロベースで見直すことが重要で、その見直す視点を得るためにも、異なる世界の総務を経験することも大切だ。

 本業と異なる畑での副業も、多様な視点を得ることに繋がる。『月刊総務』の取材を通じて感じていることは、総務部門の大改革をしているところは、案外、総務経験のないメンバーが異動してきてから、ということが多いように思う。第三者の異なる視点が入らないと、なかなか総務部門は改革が進まない。知りすぎるが故に手が付けられない、ということも多い。異なる畑で身に付けた視点は大きな武器となるはず。

 さらに、起業を経験できれば、経営総務と言っているところの、経営視点でもって総務部門を見ることができる。経営者に期待される総務とは、会社になくてはならない総務とは何かが理解できるかもしれない。

 これから多くの企業が副業を容認していくことになるだろう。経営に対しては、副業とはいわないまでも、総務部員には外との接点を持つことを、ぜひ勧めて欲しい。総務ほど外との刺激が必要なのである。今まで記したように、外からの目線が総務改革には必要なのだから。

 よく、総務は社内にいないといけない、という誤解の下、なかなか外に出られない。結果、内向き思考となり、大きな改革ができないままでいる。総務は人件費に次ぐ大きな予算を抱えている。また、働く場という、従業員に大きなインパクトを与えるプラットフォーマーでもある。

 この総務が本来の役割を十二分に果たせれば、大きく働き方を変えることができる。いまこそ、総務の可能性、潜在力を認め、その活躍に大いに期待してほしいものである。