QRコードをスキャンして送れば
戸籍を入手することができる西安

 こうした“実績”は、さまざまな優遇政策の実施と大きく関連している。

 昨年から成都、南京、長沙など、省都レベルの十数都市が、相次いで人材導入優遇政策を実施し始めた。

 まず、長沙がハイレベルな人材に対して、支援金の提供など22の優遇策を打ち出した。武漢も負けておらず、大卒の若者を無条件で受け入れ、家賃の20%助成などの新しい奨励策に踏み切った。鄭州も昨年11月、30の奨励策を打ち出し、猛烈に追い上げている。

 こうした動きを見た西安は、つい2週間前、全国の大学生が簡単に西安に戸籍を移すことができる施策をスタートさせた。QRコードをスキャンして、学生証と身分証の写真を送信すれば、西安の戸籍を入手することができるのだ。この政策は、すぐさま大変な反響を呼んだ。3月23日だけで、8000人以上の学生が西安に戸籍を取得したのだ。

 一方で、4大直轄市のうち北京、上海、天津の常住人口は2017年、マイナス成長となっている。このうち天津は5.25万人減となり、ランクを下げた。近年、北京と上海は、人口増を厳格に制限しているため例外といえるが、そうではない天津はかつてない苦境に立たされているといえる。

 そのほか、経済的に苦しい東北地区(遼寧省、吉林省、黒竜江省)も、人口流失地域となっている。黒竜江省の斉斉哈爾(チチハル)は2014年、定住人口が約3万8000人減少した。この傾向は、2010年頃から始まっており、東北地区では合計180万人が他の地域へ純流失してしまっている。

 こうして見ていくと、やはり経済発展している都市が、特に若者に人気となっており、人口増に繋がっていると言うことができるだろう。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)