3月29日、香港の「米ドルペッグ制」がきしみ始めている。経済は中国依存、金融は米国連動という矛盾が広がるなか、香港の市場金利は米利上げと香港の政策金利引き上げに付いて行けず、香港ドルは33年ぶり安値圏に下落した。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[東京 29日 ロイター] - 香港の「米ドルペッグ制」がきしみ始めている。経済は中国依存、金融は米国連動という矛盾が広がるなか、香港の市場金利は米利上げと香港の政策金利引き上げに付いて行けず、香港ドルは33年ぶり安値圏に下落した。香港金融当局はペッグ制を維持する意向を示しているが、中国が構築する経済新秩序の中で、制度の意義を問われることになりそうだ。

「米ドル離れ」する香港ドル

 香港金融管理局(HKMA、中央銀行)は22日、銀行向け貸出基準金利を0.25%ポイント引き上げ、2.0%とした。米連邦準備理事会(FRB)の利上げを受けた措置で、香港ドルを1米ドル=7.75―7.85香港ドルの範囲に抑える「米ドルペッグ制」の下で、金融政策を米国と連動させ、自国通貨の為替変動リスクを抑える目的だ。

 しかし、香港ドルの対米ドルレートは23日に7.8495香港ドルと33年ぶり安値まで下落し、現在も7.8480香港ドルと軟調。HKMAは7.85香港ドルを守るために介入する姿勢を示している。

 追随利上げにも関わらず香港ドルが下げ止まらないのは、香港の民間金利が利上げに追随しないためだ。中国から大量の資金が流入し、米国よりも中国本土との経済の一体性が強い香港において、利上げの効力が実体経済に浸透しないことが背景だ。