ポリティカル・フューチャーズ・コンサルタンシーのディレクター、ダニエル・シルク氏は「ラマポーザ氏が自らの指導の下で土地収用を巡る話し合いを始められるということになれば大きな成果と言える。それに失敗すれば、せっかくのこれまでの改革実績まで元の木阿弥になるリスクがある」と警告する。

 独立系政治アナリスト、ニック・ボレイン氏は「土地収用がラマポーザ氏の最も大きな課題の1つであるのは間違いない。投資家はこれについて心配し、ラマポーザ氏の動きを注視しつつある」と述べた。

 一方、資金繰りに苦しんでいる南アフリカ航空(SAA)と多額の債務を抱える電力会社エスコムの改革については、労働組合の支持を得るという厄介な仕事が待ち受ける。

 SAAとエスコムはいずれも膨れ上がった人件費が負担になっているが、同国屈指の政治力を持つそれぞれの労組は人員削減の取り組みには断固抵抗する公算が大きい。労組は、これらの企業の民営化にも難色を示しそうだ。

 ボレイン氏は「人員削減を発表する段になれば相当な緊張が生まれるだろう。来年の選挙を控え、ANCの支持基盤にも悪影響を与えかねないだけに微妙なさじ加減が必要だ」と話す。

 それでもラマポーザ氏は既に付加価値税(VAT)の税率引き上げで財政赤字を穴埋めするという政治的にリスクの大きい道に踏み出しており、もはや改革で後戻りしそうにはない、というのがアナリストの見立てだ。

 ボレイン氏は「VATに関してラマポーザ氏はポピュリズムに屈しなかった。これは人気がなくても必要な政策に彼が取り組むという好例だった」と評価した。

 ネネ財務相は26日、ムーディーズの格付け据え置き決定前にロンドンの説明会で会った投資家は南アフリカの先行きに楽観的だったと語り、今後S&Pグローバル・レーティングスとフィッチも格付け見直しの機会に同国に対して明るい見通しを表明するかもしれないと期待をのぞかせた。

 S&Pは昨年11月に、フィッチは同4月にそれぞれ南アフリカの格付けを投資適格級未満に引き下げた。S&Pの次回格付け見直しは5月25日、フィッチは未定となっている。

(James Macharia記者)

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