御坊さんは、風俗店を利用する際の男女の意識の違いについて、こう考えている。

「お客様である女性からのお問い合わせで『私、おばさんなんですけど利用できますか』『私は太っているんですが、大丈夫ですか』『可愛くないですが、キャストさんに嫌がられませんか』というものがよくあります。男性が風俗店を利用するときに年齢や見た目を気にしてわざわざ問い合わせる、ということはほとんどありませんよね。これは、世の中で女性が年齢や見た目について常にジャッジされ、恐怖を感じていることの表れだと思います」(御坊さん)

 異性と性的な行為をするとき、女性はどうしても自分が「女性」であることを意識し、また、意識させられてしまう。レズ風俗を利用する女性は、その記号的な「女性」を演じることを脱ぎ捨て、相手と「人と人」としてコミュニケーションを取ることができる点に安心を感じているのかもしれない。

 安心して性的な行為ができると、1人の人間として認められ充足感を得ることができるということもあるのだろう。異性とのコミュニケーションの中で得られなかった精神的に満たされた感覚を、女性たちはレズ風俗で感じることができている。

 性的なサービスを受けたいと思っても、相手が異性の場合、腕力や身体構造の差から危険な目に遭う可能性があること。また、異性と対峙したときにどうしても自分が1人の人間であることよりも「女性」であることを意識させられてしまうこと。そんな女性たちの生きづらさを、レズ風俗が受け止めているのだ。

男性向け風俗との違いは
お互いの「必要」の重さ

 レズっ娘クラブ独自のサービスは多いが、中でもユニークなのは「検査結果割引」だ。

<複数の女性にサービスするため、キャストには常に感染のリスクがあります。
 そこで、お客様の側にも性感染症の検査をして診断書などその結果がわかるものをご提示いただければ、コース料金を値引きすることにしました。>(p.177)

 これを知ったとき、筆者は「男性向け風俗にもあればいいのに」と思った。キャストに性感染症検査を義務付けている男性向け風俗店はあるが、客側に検査をしてきてもらうことを推奨したりしている店はほとんどない。

「なぜ男性向け風俗店では、性病検査を大々的に推奨しないのか」と、男性向け風俗店のスタッフとして働く男性に質問してみた。