イノベーションにはボケとツッコミが必要だ──新たな価値を生む方法論(下)松波晴人氏(左)と平田智彦氏。著書の色味は試作時点(3月)のもの Photo by Toshiaki Usami

今、日本ではイノベーションを推進する関連部署が増えている。だが、新しい価値を生もうとすると途端にぶつかるのが、その方法論と組織の壁である。この度、大阪ガス行動観察研究所の松波晴人所長が「ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論」(講談社刊行、4月11日発売)を著し、それらの方法論を体系化した。前回(リンク入れる)に引き続き、松波氏とデザインプロデュースしたziba tokyoの平田智彦社長に聞いた。(週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)

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女性が目指すシンデレラ城
日夜「結婚式」が開かれる場

――インサイト(洞察)についてもう少しお伺いします。例えば松波所長が新しいアミューズメントパークを作るとしたら、どういったことから考えますか。

松波 以前、中国人の方々の日本を旅行する機会が増えてきたときに、その行動を観察するため同行したことがあります。そうしたら、みんなディズニーランドに行ったのです。私が付き添った方は女性でその年齢は25歳前後でしたが、彼女は真っ先にシンデレラ城に行きました。そしてディズニーキャラクターの集まったパレードを楽しそうに見ていました。