三重大学大学院工学研究科とジョーカーピースは、AR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの内部欠陥の簡易打音検査システムに関するiPhone用アプリを公開した。2017年度に共同研究・開発を実施しており、アプリは同研究の成果の一部だという。

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 両者によると、昨今では建築・土木建造物の経年劣化の進行や、既存構造物の使用期間延長に伴い、維持管理の重要性が増大している。構造物の維持管理において最も重要なことの1つは、劣化や欠陥を早期に、かつ見落とすこと無く発見することだという。これは、劣化が進行する前に対処することで補修・改修コストを圧縮できるだけでなく、劣化により発生する事故等を未然に防ぐという重要な役割もあるとのこと。

 三重大学大学院工学研究科は2017年度までに、打音結果を時間周波数分析(TFFT)により画像化することで欠陥を検出、検査時間を短縮する効果があるとの研究結果を得ていた。しかしTFFT画像によって検出された欠陥位置が実構造物のどの位置に当たるかといった、詳細な位置関係を特定する方法に関しては知見が無く、実用化に向けて解決すべき課題が残されていたという。

 そこでジョーカーピース社の持つスマートフォン用アプリの開発技術を適用。新たにAR技術を導入することで、時間周波数分析画像を効率的に実構造物と関連付けて表示させるシステムを実現したとしている。

 現状のアプリは未だ機能的な制約が多くあるものの、打音検査および診断に対して新たな方向性を示すとともに、作業効率を飛躍的に改善するものとなっている。また、対象は外装タイルおよびコンクリートとしているが、金属材料やそのほかの環境測定にも応用は可能とのこと。今後も継続して研究開発を進めることで、より高性能・高機能なアプリへとバージョンアップしていく予定とのことだ。

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