米国の新聞を読んでいたら非常に興味深い記事を発見しました。日本では「若者が弱くなった、内向きになった」と言われるようになって久しいですが、独立精神が旺盛で住む場所が移り変わることも厭わない国民性のはずの米国でも同じようなことが起きているのです。しかも、その原因の1つがネットであるかもしれないのです。

生まれ育った地域を離れたがらない
米国の若者に起きた変化

 その記事によると、過去30年の間に米国人、特に米国の若者がリスクを回避し、自分の生まれ育った地域に居続けるようになったそうです。

 米国の国勢調査局のデータによると、20代の若者が今住んでいるところから他の州に移住する割合は、1980年代からの約30年で40%以上も低下したとのこと。大卒の若者でも、学歴のない若者でも同様の傾向のようです。

 Pew Research Centerの分析でも、米国人の若い世代(young adult)のうち実家に住み続ける人の割合は1980年から2008年で倍に増加しているとのことです。

 また、ミシガン大学の交通研究所(Transportation Research Institute)の調査によると、1980年代初期には米国の18歳の若者の80%が自動車免許を取ったのに、2008円にはその割合が65%にまで下がってしまいました。ついでに言えば、米国での自転車の売上も、今は2000年より低下しています。

 即ち、米国の若者は生まれ育ったところから動かなくなっているのです。ハーバード大学で世論調査を研究している政治研究所(Institute of Politics)では毎年数千人の若者のサーベイを行っていますが、例えばネバダ州の失業率が13%であるのに対して隣のノースダコタ州は3.3%なのに、ネバダ州の若者は隣の州に移住したがらないなど、そこでも若者が生まれた故郷から動きたがらない傾向が明確に出ているようです。