写真は2017年撮影(2018年 ロイター/Kacper Pempel)

「猛烈にイライラする」と語るのは市会議員のハワード・シュック氏。彼のオフィスでは、16年分のデジタル記録を失ってしまった。

 ウィルス感染した市当局のコンピューターをロイターが確認したところ、ファイル名に「weapologize」「imsorry」といった言葉が追加された破損文書が多数表示されていた。

 ランサムウェアによるサイバー攻撃はここ数年急増しており、サイバーエクストーションの攻撃対象は、個人のコンピューターから、企業や医療機関、政府省庁といった大組織に移りつつある。

 過去の大規模な攻撃では、工場の閉鎖や病院による患者受付の停止、地方の救急センターがやむなく手作業での運用に切り替えるといった混乱が生じている。

 ランサムウェアは通常、データを破損するだけで盗み出すわけではない。アトランタ市では、ハッカーが市民の個人情報を入手したとは考えていないと説明しているが、確信は持てずにいる。

 裁判所や水道局など、市の施設における一部サービスの中断を招いた公表された機能停止以外に、どの程度の損害が生じているのかについて市当局者は説明を拒んでいる。

 アトランタ都市圏の人口は600万人近い。米国勢調査局の最新データによれば、ジョージア州の州都であるアトランタ市本体だけで45万人以上が暮らしている。

 市職員がロイターに語ったところでは、警察や財政関係のファイルが正体不明のハッカーによりアクセス不能になっており、ハッカーはファイルの暗号化を解除するデジタルキーと引き替えに5万1000ドル(約540万円)相当のビットコインを要求しているという。

 パソコン情報のバックアップ・サーバーにどの程度の障害が起きているのか、また、どのようなデータが「身代金」の支払いなしには復旧できないかという点について、市当局者は明言を避けている。