民進党の「新党」構想は
お気楽で勘違いしている

民進党の「新党」構想がご都合主義でまったくダメな理由

 ジリ貧で死に体とも言える民進党は、新執行部発足以来ずっと主張してきた分裂前の勢力をできる限り糾合した新党構想を、3月30日についに党両院議員総会了承までこぎつけた。

 その名も『民主主義と国民生活を守るために―「新しい民主党」をつくる―』(以下、「新党構想文書」という)である。

「民主主義と国民生活を守る」とか「今後の政治の対立軸は民主主義を重んじるか否か」とかいった新党構想文書の基本的な考え方や、我が国が抱える課題の整理といったところは、まるで立憲民主党の二番煎じの取って付けたような内容であるし、「なぜ今、急いで新党か」というところには、党としての存在感を示すことができずに埋没する一方の民進党の、来年の統一地方選、そして参院選を目の前に控えた“焦り”が見える。

 否、「民主主義だ」「国民生活だ」とご大層な大義名分を並べてはあるが、この焦りが本音というか“真の動機”であろうことは容易に推測できる。

 それ以前の話として、目指す新党が「新しい民主党」とは、なんとお気楽なことか。

 しかも、臆面もなく「新しい民主党」などと言っているのみならず、新党構想文書をよく読むと、『「中道的な新しい党」「新しい民主党」である新党を結党する』の横に、カッコ書きで「存続政党は民進党」としれっと書かれてある。

「新党、新党」とは言っているものの、つまるところ、民進党の“看板の掛け替え”ということであり、ことここに至ってもまだ自分たちが「野党の中心だ」と勘違いし、置かれた状況の“劇的な変化”に気づいていないということである。