2018年度の新入社員は「日本サッカー協会型」だ

 新入社員の採用率が上がり、今年度は新入社員を多く受け入れた会社も多いのではないでしょうか。早く職場に慣れてほしい、戦力になってほしいという気持ちとは裏腹に、採用に手間をかけ、選び抜いた社員がすぐに辞めてしまう、指示待ちでモチベーションが上がらずに期待外れと頭を抱えてしまう現場もあるかと思います。そうならないために、まずは、今年の新入社員の傾向を知ることが大切です。

 私はこの時期、様々な企業の新入社員研修に登壇します。基本的なビジネスマナーをはじめ、社会人として身につけるべきことをお伝えするのが仕事です。この時に伝えることとして、二つの柱があります。一つは、行き違いのないコミュニケーションを取るための聞き方と伝え方のスキル、もう一つは、自己コントロールのためのストレスマネジメントのスキルです。

今年の新卒は伝えるスキルが低く、
何かを言うことへの抵抗感が強い

 その両方の基本となるのが、今の自分を把握することで、自分の考え方や思いなどに向き合ってもらうことなのですが、2018年度はある傾向が顕著で衝撃を受けました。それは、「言いたいことを伝えるスキルが極端に低い」、加えて「何かを言うことへの抵抗感が強い」ということです。

 伝えるスキルの導入では、まず、次のような質問をします。

【あなたが一人でお昼ご飯を食べるために、お蕎麦屋さんに入ったと仮定します。「かけそば」を注文したところ、出てきたのは、「かけうどん」でした。ちなみに値段は同じです。その時、あなたはどうしますか?】