頭の働きを良くするには、一にも二にも「運動」だ写真はイメージです

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

靴ひもを結べないほど運動能力が落ちている日本の子どもたち

 文部科学省が1964年から実施する「体力・運動能力調査」によると、日本の子どもの体力や運動能力は1985年から現在まで低下傾向にある。とくに運動能力テスト(走る、跳ねる、投げるなど)の成績低下が顕著のようだ。

 都市化による屋外の遊び場の減少、塾通いや習いごとなどで遊ぶ時間がなくなるなどの子どもをめぐる環境変化が原因とされている。

 さらに最近、靴ひもを結べない、スキップができないなど、簡単に思える身体の動きすらコントロールできない子どもが増えているとも聞く。

 しかし今後、情報通信やAI・ロボットの技術がさらに発達すれば、どうだろう。人間はそれほど生身のカラダを使わなくてもよくなるのではないか。そんなふうに考える人がいるかもしれない。

 そうはならないらしい。なぜなら、運動不足は肥満や糖尿病などの生活習慣病の原因の一つだからだ。運動能力や体力が低い子どもたちは、大人になってからの生活習慣病患者の予備軍である可能性がある。

 それだけではない。知的能力も運動と関係していると知ったら、驚くだろうか。