複雑さ

 もう一つの問題は、イスラム法学者の多くがデジタル通貨の複雑さをなかなか理解できない点だと、ロンドンのコルドバ・キャピタルでマネージング・ディレクターを務めるハリス・イーファン氏は語る。

「取引の法理はシャリーアのなかでも非常に複雑な分野であり、コミュニティレベルの法学者が発する法的見解を受け入れてしまうのはどうかと思う」と語るイーファン氏。同氏は、仮想通貨を含むフィンテック商品のシャリーア遵守についての認証ガイドラインを作成している英国イスラム・フィンテック・パネルの座長を務めている。

 マホメド氏は、仮想通貨を資産の1つの形態だとみなす世界的な共通見解がある程度生まれつつあり、これは仮想通貨受容への1歩前進だと述べている。

 だが、暗号通貨が実際に通貨であるかどうかという点に関して、イスラム法学者たちはまだ最終的な判断を下していない。ザカートと呼ばれるイスラム税の支払いや相続に関して、これは重要な点だ。

 マホメド氏は、ジェッダに本拠を置く有力機関の名を挙げつつ、「少なくともイスラミック・フィクフ・アカデミーのような上位機関がこの問題について自らの見解を明らかにするなど、共通見解に達するには、全体としてもっと証拠が必要だ」と語る。

 フィクフ・アカデミーのファトワ部門ディレクター、アブドルカヒール・カマール氏は、同アカデミーは暗号通貨に関する決定をまだ何も発表していないが、今年の公式会議の1つでこの主題について議論する予定になっている、とロイターに語った。

 同氏によれば、確定したスケジュールはないものの、フィクフ・アカデミーではこの件について法学者らによるセミナーを開催することも検討しているという。

(Andrew Torchia and Bernardo Vizcaino 翻訳:エァクレーレン)

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