【プラウドタワー川口】は本当に“買い”なのか?
価格・スペック・立地をプロが徹底調査!
「免震」「長期優良」は希少なマンション

2018年4月26日公開(2024年4月11日更新)
櫻井 幸雄

新築マンション「プラウドタワー川口」は埼玉県川口市の注目物件だが、本当に買いなのか、価格・スペック・立地を徹底的に調査してみた。立地は、デパートを始めとした商業施設が集まる東口とは異なり、華やかさに欠ける西口側。しかし、免震構造で長期優良住宅の認定マンションは全国でもまだ30棟に満たない。中古になっても価値が下がりにくいマンションである。(住宅評論家・櫻井幸雄)※新築販売時の記事です。

川口市は工場地帯から都心近接の住宅エリアへ

 野村不動産のマンションブランド「プラウド」は、お洒落な場所に建設されるイメージがある。が、プラウドの歴史を振り返ると、地味な場所に建設され、マンションのおかげで街の印象が変わる、ということがあった。

 例えば、「プラウド駒込」や「プラウドシティ池袋本町」、最近では「新船橋」駅周辺を変えた「プラウド船橋」があり、大阪では「プラウドシティ塚口」がその代表だろう。

 「プラウドタワー川口」の建設地も、ド・ストライクの場所ではない。

 建設地は、物件名からわかるとおり埼玉県川口市。浦和や大宮のようにメジャーな場所ではない。

 川口市の場所がよく分からない、という方のために説明すると、川口市は浦和・大宮が所在するさいたま市よりも都心寄り。東京都内から荒川を渡り、埼玉県に入ってすぐの場所に位置する

 東京から多摩川を渡り、神奈川県に入ってすぐの場所にある川崎市の武蔵小杉と似た立地条件だ。武蔵小杉駅は、東京駅から15km圏。「川口」駅も、東京駅から15km圏だ。

 「川口」駅周辺は再開発によって生まれ変わり、超高層マンションが増えている。それも、武蔵小杉と似た状況。しかし、マンション相場価格は武蔵小杉ほど上がっていない。理由は、武蔵小杉のように「お洒落な街」の印象がないからだろう。

 川口も武蔵小杉も、もともとは工場が多い場所だった。それが、都心近接の商業・住宅エリアとして生まれ変わっているのだが、川口のほうが一歩遅れている、というべきか。

プラウドタワー川口プラウドタワー川口は、川口駅徒歩4分で公園が身近、免震構造で長期優良住宅の認定を受けている

プラウドタワー川口(※新築時のデータです)

価格
完成時期
2020年2月予定
  • 埼玉県川口市飯塚一丁目336番1
  • JR京浜東北線「川口」駅徒歩4分
間取り
2LDK~4LDK
専有面積
57.48~81.55㎡
総戸数
200戸
売主
野村不動産
施工会社
三井住友建設

※データは2018年1月31日時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。

東口と違って華やかさには欠けるが…

 その川口で、「プラウドタワー川口」が建設されるのは、「川口」駅西口側。デパートをはじめとした商業施設が集まる東口と異なり、華やかさに欠ける側だ。

 そのため、便利な場所の超高層マンションに住みたい、と言う人には向かない場所のマンションとなる。

 といっても、同マンションの建設地は魅力がない、と言っているわけではない。

 西口を出てすぐに約3万m²の川口西公園「リリアパーク」がある。公園には随所に彫刻が置かれ、触ることができる。小さな子供達が触ってはしゃぐ姿が微笑ましい。

 「プラウドタワー川口」は、「川口」駅から徒歩4分で、「川口西公園」に近い場所に建設される。東口のような華やかさはないが、便利さと環境のよさを兼ね備えた立地条件ということができる。「川口」駅から徒歩4分で、夜は静かになるのだから、「落ち着いた場所のマンションに住みたい」という人にとっては好ましい

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免震構造で長期優良住宅認定のマンションは全国でも稀

 「プラウドタワー川口」には建物の特徴も多い。

 地上21階建て総戸数200戸の大規模マンションであり、地震時の揺れを軽減させる免震構造を採用。加えて、長期優良住宅の認定も受けている。免震構造で長期優良住宅の認定を受けているマンションは数が少ない。全国でも20数棟。川口市内では初めての事例だ。

 私は、以前から長期優良住宅の認定を高く評価している。

 日本のマンションは昭和以降、寿命を延ばすことに力を注いできた。20世紀の間は「センチュリー・ハウジングシステム」という発想で、100年に及ぶ耐久性を持つマンションを目指した。それが、実現するようになり、21世紀に入ると、さらに長寿の建物を目指すようになった。生まれたのが「長期優良住宅」の認定制度だ。100年を超えるような長寿という意味で、200年住宅をつくろうとする取り組みだと私は解釈している。

 まず、建物を長持ちするようにつくる、そして、長く住み続けるため、住戸内の設備や間取りの変更、メンテナンスをしやすいように工夫されて、はじめて長期優良住宅の認定を受けることができる。

 これからの日本は、中古住宅の取引が活発になると予想される。マンションの寿命が延び、新築物件を建設できる場所が減ってくるためだ。中古の取引が活発になると、建物の質によって、値付けが変わってくると私は考えている。「残存寿命が長い」とアピールできるマンションのほうが価値を高めるためだ。

 中古の取引が中心になる時代、長期優良住宅の認定を受けているマンションは大きな付加価値を持つことになる。私はそう予測し、長期優良住宅を高く評価しているのである。

70m²の3LDKで7000万円台以下の価格を期待

 「プラウドタワー川口」は、「川口」駅徒歩4分で公園が身近、免震構造で長期優良住宅の認定を受けているマンション…。注目要素が多いため、販売センターが開く前から資料請求が多かった。注目のマンションであることは間違いない。

 取材時点(2108年1月31日)で、価格は未定。4月20日時点では、57.48~81.55㎡で、5128万円~9258万円となっているが、販売が本格化して、多数の住戸が販売されるのはこれから。今、「浦和」駅周辺の再開発エリアでは、人気が高まっていることから「70m²の3LDKが7000万円台から」というマンションが登場しているだけに、その価格水準より安くなって欲しい、というのが購入者の気持ちだろう。価格次第では、相当な人気物件となる可能性を秘めている。

 

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