都市部の人材の有望副業先は
地方企業にあった!

都市部の人材が地方企業で副業をする人材採用に苦戦している地方企業やベンチャー向けに、副業を希望する人を紹介する。リモートワークが可能な現代だからこその、新しい働き方だ

 このところ副業を解禁する企業が増加している。日産自動車、花王、リクルート、LINEといった大企業だけでなく、中小企業でも副業OKを打ち出すところが少なくない。そんな現状を背景に、副業を希望する人を対象としたWEBサービスが次々と立ち上がっている。

 昨年11月にスタートした「Skill Shift」(スキルシフト)は、地方の中小企業と都市部で働くビジネスパーソンをつなぐサービスだ。いま、地方の企業は専門的なスキルを持つ人材を求めているが、なかなか人が集まらない状況になっている。そういった人材は、どうしても都市部に集中してしまうため、地方では人材採用に苦戦しているのが現状だ。

「日本の人口は2008年がピークでした。わずか10年で人材採用は劇的に困難となり、もはや人材戦国時代と言っていいでしょう。人材の囲い込みが始まっている状態です」と話すのは、Skill Shiftを立ち上げた株式会社グルーヴス経営企画部の鈴木秀逸さん。

「地方では、ハローワークや求人誌で募集しても応募がほとんどありません。高度なスキルを持つ人は、高い年収でないと集まらない。金額がボトルネックなんです。とはいえ、中小企業側も採用できたとしても、月曜から金曜までフルでするほどの仕事量はないんです」(鈴木さん、以下同)

 そこで考え出されたのが、都市部で働くスペシャリストが、採用に苦労する地方の中小企業で、副業というスタイルで働く方法だった。副業なら、生活基盤を都市部に置いたまま、地方の仕事もできる。いわば「スキルのシェアリング」である。