音源が公開されて辞任にまで発展した、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題。4月21日、22日に都内で開催された新聞労連の「全国女性集会」では、女性記者たちが日々、セクハラをかわしながら取材をしている実態が赤裸々に語られた。

マスク越しならキスもOK!?
女性記者たちの怒りの告白

女性記者へのセクハラ実態「触る」「手を握る」などは序の口。マスク越しのキス要求など、気持ち悪さ満載のセクハラ実例が、女性記者たちから続々と寄せられた(写真はイメージです)

 編集部が入手した新聞労連「全国女性集会」の資料は、女性記者たちの怒りの声に満ちていた。福田前次官のNGワード連発に勝るとも劣らない、残念過ぎるセクハラの実態を一部抜粋しよう。

「酔ったフリをしながら、太ももやお尻を触られた」
「手を触られたり、顔が接近してくるなどしたが、取材先なのでやり過ごすようにしていた」

 酔ったフリをしたり、さりげなく顔を接近させるなど、罪の意識があるのか、どこか逃げ道をつくりながらセクハラをする、姑息な男性たちの姿が目に浮かぶ。福田前次官が堂々たるセクハラに及んだのは、やはり自身の地位の高さと「相手は番記者だから騒がないはず」といった奢りがあったのだろうか。

「マスク越しにキスをするように要求された」
「取材相手が家の前まで来て、携帯に『家に入れて』と電話を掛けてきた。もう何から怒っていいやら分からない」
「官公庁の取材先から『ラブホで待ってろ』と言われた」
 
 多くの女性記者が、こうした気持ち悪いアプローチに対して怒りや恐怖を覚えながらも日々、何事もなかったかのように働いている。

「ネタ元だったからやり過ごした」
「我慢してきた」
「ひわいなものを見せられたりするなんてことは多かったけれど、仕事だからと鈍感になっていった」

 確かに、こんな人たちに毎日取材をしようと思えば、鈍感になるしかないだろう。

「取材先から後輩がチークダンスを強要されていたとき、自分に振られるのがイヤで見て見ぬフリをした」

 女性記者たちの#MeTooは、まさに枚挙にいとまがない、といった様子だ。