──起業というものに対して、ハードルの高さは感じなかったのでしょうか。

 経営者一家の友人の親と親しかったことが幸いしました。経営者はお金やビジネスに対してオープンな意識を持つため、自分の子どもにも株を買うことを勧めたり、商談の場に同伴させるなどの機会を与えようとしたりする人が多いんです。起業について難しく考える必要はないと教えてくれたのは、友人の親たちでした。分からないことは何でも彼らに質問していましたね。

──10代で最初の会社を売却して以降について聞かせてください。

 10代でまとまった資金を持つ人が世の中に少なかったこともあり、自分と近い世代の起業家に出資する「投資家」としての活動が徐々に増えていきました。ゼロからモノを生み出すよりも、傾いている事業を買ってテコ入れしたり、仲良くなった社長と共同で起業・経営したりした方が、成功率も高く効率的だからです。「起業家」と「投資家」という二つの立場を並行させながらビジネス展開しています。

「働く=雇われる」との意識から
抜け出すことが肝要だ

──とはいえ、人材の流動性が低く、起業が身近でない日本では、まずは就職して社会人の経験を積むのが一般的で、いきなり起業は難しいという感覚が根強いと思います。

 自分自身、若くして起業したことで苦労したので、以前は会社員として経験を積んだ後に起業する方がいいと思っていましたが、今は違う考えです。きっかけは、自社でインターンを受け入れたこと。熱意を持って入って来たはずの学生たちが、全員2~3ヵ月で辞めていきました。