日本のメーカーは自分でマーケットを調査し、リスクを取って携帯を開発販売してきたのではない。
キャリアの仕様通りに製品を作り、納品する。“割り当て”があり、その分は全部買い取ってもらえる。
今回、この記事を書くのに17年ぶりに日本の携帯(スマホ)市場を見た。すると、あの時中国で惨敗を喫したメーカーのスマホが大手を振っていまだ何社も存在しており、仰天した。
この“村社会”の仲間だけでパイを分け合う環境に長くいて、世界で勝てるわけがない。日本の大手メーカーが“政府筋の仕事”で、半ば利権団体的存在になっていったのが、敗因である。
日本が世界で有数のiPhone市場なのも、日本携帯の実力がなかったからかもしれない。
すさまじい競争の
中国携帯市場
一方、中国では携帯は最初からほぼ全部SIMフリーである。
中国のキャリアは中国移動通信、中国聯通、中国電信の三つである。消費者はこのどれかのSIMカードを買う。
今はSIMカードも実名認証制になり入手にも登録が必要だが、以前はそのへんのたばこ屋さんでも売っていた。
そして、それをお店やネットショップで好きに買ったスマホにセットすれば、OKである。
値引きや特典をつけたキャリアの専用機も一応存在はするが、主流ではない。中国自体が急成長で、新しい機種や通信方式が次々に出てきたので、一度契約しても、結局SIMフリーに乗り換える。
それどころか中国ではキャリアの違う番号を複数持っている人も多く、例えば一つのスマホに、中国移動、中国聯通の2枚のSIMカードをセットして両方とも“生きた”状態で使える。
こういう状態だとスマホのハードの乗り換えは非常に簡単である。