「エレベーターはメンテナンスを間違えれば人命に関わることもある」と言われると、人間心理としては不安になるのも当然だ。しかも、日本のエレベーターは建築基準法で、使用する材質、強度などが厳しく規定されていて、機械的、電気的な2重4系統の落下防止装置、安全装置が義務づけられている。

 設置に際しては、「確認申請」「工事完了検査」など工事の各段階で行政の検査を受ける制度も確立し、つまり、保守するのがメーカーであろうがなかろうが、そうそう事故が起こるような「やわ」なものではない。

 しかも、建築基準法は、エレベーターについて、年に1度の有資格者による法定点検を定めており、安全確保に不安はない。もちろん、だからといって保守点検を依頼する会社が「どこでもよく、安ければ安いほどいい」とは言えない現状はある。

 特に独立系保守会社は“玉石混交”で、明らかに実力不足と思われる会社もあるので注意したい。トラブルの際に「速やかに駆けつけられるか」、あるいは「遠隔監視でどのくらい対応できるのか」など、しっかりと保守の業務内容を確認して決めるべきだろう。

 メーカー系でも独立系の見積もりをぶつければ、価格を下げてくる場合があるので、管理組合として容認範囲にあるなら、メーカー系を拒む理由はない。

避けて通れないエレベーターリニューアル
賢く乗り越えてマンションの資産価値を高める

 マンション管理組合にとってエレベーターは機械式駐車場の次に大きな「金食い虫」だ。しかも、機械式駐車場のように、予算が立たないので平置きにしましょうという選択肢はない。25~30年目には何らかの方法でリニューアルする必要のある装置なのだ。5階建てでも完全に入れ替え(全撤去または凖撤去)れば1000万円以上、主要部品交換(制御リニューアル)で済ます方法でも500万円以上はかかり、工期も全撤去または凖撤去なら数週間、制御リニューアルでも数日かかるが、避けては通れない工事なので、長期修繕計画の中にきちんと組み込んでおかなければならないものだ。