男性部下Aさん(23歳) 「T課長、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
T課長 「ああ、大丈夫だよ。どうした?」
Aさん 「ここのところ、先輩のBさん(32歳)の指導がちょっとキツイなと感じていて、これってパワハラじゃないかと思っています」
T課長 「パワハラ!?」
Aさん 「はい。資料を作成しても、必ずやり直してこいと言ってきます。おかげで毎日残業です」
T課長 「分かった。B君は私が指導しておくから、とりあえず今日から残業せずに帰りなさい」

 この後、Bさんを呼び出し、事情を聴いたところ、「データの間違いが多いので、やり直しを指導している」と言い、聞いた限りでは、パワハラとは感じない内容でした。

 とはいえ、放っておくことはできないので、部下Aさんの資料をT課長自らがチェックするようにしました。

 この日以来、T課長は、「AさんやBさんとの会話はこれでよかったのか」「何か違う指導方法があったのではないか」と悩んでしまい、眠りが浅い日が続きました。

退職者を出さないよう
気を遣った結果

 そもそもなぜT課長は、こんな日々を送ることになってしまっているのでしょうか。

 実は、新人たちが「もっと条件のいい職場が見つかった」という理由などで、相次いで会社を退職したため、先日の課長会議で「新人の指導は慎重に行うように」とのお達しが出たからです。