アジア系転売屋組織vs日本メーカー、年間数億円の被害を出した手口

ビジネスの現場では、さまざまな問題が発生する。横領や商品の横流し、情報漏えい、採用時の経歴詐称など、じつに多種多様だ。創業53年、年間7000件の調査を行う総合調査会社「トクチョー」が、日々の調査業務で遭遇するビジネスの現場における事件とその教訓を紹介する「調査員は見た!不正の現場」。4回目の今回は、アジア系転売屋組織にまつわる事例だ。


 インターネットによる買い物、Eコマース(EC)の普及により、転売屋やフェイク品製造業者による不正出品や不正転売が増え続けています。

 それに伴って、トクチョーにはメーカーやECプラットフォーマー、ECストア出店者、弁護士などからの相談が寄せられており、対象品の出品状況に関するインターネット調査から、不正業者の流通拠点や転売目的の大量購入現場の調査など、バーチャルとリアルの両面から調査を行っています。

 今回は、大量不正転売を行うアジア系転売屋組織の実態を紹介しましょう。 

百貨店で爆買いした男たちを
尾行してたどりついた倉庫

 都内の主要駅から徒歩十数分、マンションが立ち並ぶ通り沿いにある100坪を超える敷地に、プレハブ倉庫があります。トクチョーの調査員たちは、百貨店で“爆買い”された高級消費財を満載した軽自動車を尾行し、その倉庫にたどり着きました。