乗り遅れないために

 ディア・アンド・カンパニー以前に前出のブルー・リバーに出資していたシンジェンタは、新しい技術がもたらす恩恵は、これまでのビジネスモデルが脅かされるリスクに勝るものだと語る。

「われわれも、この動きには乗っていく。この新技術専用の新たな製剤や分子を開発する」と、シンジェンタ雑草抑制部門のグローバル責任者を務めるルノー・デバル氏は言う。

 現段階でこうした新技術に直接投資する予定はないが、製品やサービス面での他社との提携を模索すると、デバル氏は説明した。

 それでも、巨大な農業化学企業は、新たなデジタル農業技術の普及に事業を対応させるために投資を急ぐ必要がある、と2億ドル規模のサラシン・フード・アンド・アグリカルチャー・オプチュニティーズ・ファンドの副責任者ジェネイフ・シャー氏は語る。

「既存企業が10年後にも優位を保つためには、現在よりさらに投資する必要がある。農家が今後投入される新機械の導入を進めるにつれ、危機感が高まるだろう」と、シャー氏は言った。

 キャピタル・イノベーションズのマイケル・アンダーヒル最高投資責任者(CIO)は、大企業がこうした機器が除草剤ビジネスに及ぼす影響を過小評価している可能性があると指摘する。

「正確さは効率につながり、効率は使用量の削減につながる。それは、こうした企業がスリム化することを意味する」と同氏は語る。

 もし作物を除草剤から守るためにGM技術が果たしてきた役割が、こうした学習する機器に取って代わられることになれば、GM作物の種子市場も大きな影響を受けるという。

「キャデラックやテスラのような種子の代わりに、シボレーのような種子を買うようになるかもしれない」とアンダーヒル氏は語った。