新兵器

 グリホサートのような広く世界で使われている除草剤の一括散布が、環境保護団体や政府の規制当局から強い批判を浴びている中で、精密除草機器が登場することになる。

 過去20年以上にわたり、モンサント製「ラウンドアップ」の有効成分グリホサートがほぼ満遍なく使われてきたことで、同成分に耐性を持つ種類の雑草が生まれ、米国農業地帯に急速に広がっている。

 規制当局は、新たな万能除草剤を市場投入するためのハードルを引き上げている。また、グリホサートが健康に及ぼす影響についても論議を呼んでおり、毒性リスクについての懸念が高まっている。

 アイオワ州立大農業経営学部のマイケル・オーウェン副学部長は、農業化学大手が次世代の万能除草剤を開発するには、最大で4億ドルという莫大なコストがかかるとの見方を示す。

 独バイエル作物科学部門の責任者リアム・コンドン氏は、現況下で精密噴射機器が登場すれば、広範囲の雑草に効果がある非選択性の新たな除草剤を開発する計画が吹き飛ぶ可能性があると語る。

「これから出てくるものはすべて本質的に選択的になる傾向がある。新たなグリホサートは生まれないだろう。あれは、生涯に1度しか出会わない種類の製品だった」と、コンドン氏は言う。

 今のところ、業界は「ジカンバ」や「2,4-D」などの以前からある広範囲除草剤を再調合して、グリホサートに耐性がある雑草を除去している。こうした除草剤に耐性がある新たなGM作物も販売されている。

 精密噴射により、一部の雑草への効果が薄れた既存除草剤を、より強力な濃度で効果的に使用できるようになる可能性もあると、エコロボティクスのビジネス開発責任者クロード・ジュリアン氏は語った。

 だが、新たな機械には新たな除草剤が必要になると専門家は指摘。一部の化学薬品会社は、かつてコストが高すぎたり、複雑過ぎるとみなされたりした実験段階の除草剤を再開発することも検討している。

「生産者は除草剤の使用量を1ケタ減らせるようになるため、より高価で珍しい除草剤が突如再び脚光を浴びることになる」と、ブルー・リバーの新技術ディレクター、ウィリー・ペル氏は語る。

「実際のところ、彼ら(農業化学企業)はいま、自社による過去の開発記録などを見直すことにリソースを割いている。全部ひっくり返してみて、われわれの機械を念頭に、こうした素材を再検討している」

(Ludwig Burger and Tom Polansek 翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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