石油元売り業界は17年度、大規模な再編の影響で空前の好況にある。出光も恩恵を受けて、同年度は上場来最高の1623億円の当期純利益を叩き出した。ところが、配当性向は10.2%で、業界内で最低水準。業界トップのJXTGホールディングスは同年度配当性向が17.9%。どちらも決して高いとは言えないが、出光のそれは著しく劣る。

 証券アナリストも「機関投資家からも株主還元の充実を求める声は多い」と話し、アクティビストファンドではなくとも改善を要求するレベルなのだ。

 もう一つは、昭シェルとの統合効果の目標が低いということだ。

 両社は経営統合が実現すれば5年で500億円の効果が見込めると発表している。ところが統合ができないため、業務提携でシナジーを生み出そうと取り組み、3年300億円が可能となった。予想以上に効果が出たということだが、「経営統合で500億円という目標が保守的に見えるようになってしまった」(業界関係者)のだ。アクティビストファンドがこうした点に着目して、さらなる経営合理化を進め、統合効果の上積みを求める可能性もある。

 出光にとって波乱の幕開けとなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)