日銀は追加緩和ではなく「2%目標」の修正を考える時期です。

 消費者物価の前年比が1%前後まで上昇してきた。生鮮食品を除くベースの物価の前年比は、昨年夏以降8月に0.7%、12月に0.9%と上昇し、直近の今年4月は0.7%と1%近くの伸び率で安定してきた。

 日銀が目標とする2%には手が届かないとしても、1%前後の領域で安定しているのだから、上出来だといえる。足元、原油価格が上昇しているので、そのことは物価1%の定着を支えることにもなるだろう。一方で景気は「踊り場」にさしかかる可能性も出ている。

 日銀は「じっと我慢」の時だろう。

日銀が「2%目標」実現時期を
言わなくなった理由

 日銀は、4月末の決定会合で2%の物価目標の達成期限を廃止した。「2019年度頃に物価2%を達成」というアナウンスをもうしないことに決めたという。

 それには様々な思惑があるのだろう。