飲食店にある禁煙ステッカー禁煙店を探す場合、禁煙ステッカーが目安になる

明日(5月31日)は世界禁煙デー。今春、健康増進法改正の受動喫煙対策について、飲食店への規制は「客席100平方メートル以下では喫煙を認める」と閣議決定された。受動喫煙対策に賛同する人たちから深いため息が漏れる中、医療関係の研究者グループが「私たちは煙がない環境でおいしく食事やお酒を楽しみたい」「飲食店で働く人の健康を守りたい」と完全禁煙店を後押しする取り組みをしている。(医療ジャーナリスト 福原麻希)

全国の“ケムラン特派員”が
完全禁煙の飲食店情報を持ち寄り共有する

 完全禁煙で、おいしい飲食店を応援するサイトがある。サイトの名前は「ケムラン(煙らん)」

 ケムランでは、実際に完全禁煙の飲食店へ足を運び、食事をした人が「おいしい!」「人に薦めたい!」と思った場合、その店を「ケムラン認定店」としてサイトに登録し、感想コメントと写真を紹介する。マップに掲載される状態になっていて、いま、200余りの飲食店が登録されている。

 サイトを主宰するのは、大阪医科大学研究支援センター准教授として勤務する伊藤ゆりさん。伊藤さんは「受動喫煙対策」や「職場の労働環境」に関心が高く、誰もが受動喫煙の害にさらされることのない社会を目指す。このアイデアに賛同した医療関係の研究者や大学教員で、大阪や東京、名古屋在住の有志が自腹で食べ飲み歩きながら、「ケムラン登録基準」をクリアした店を紹介する。

 ケムラン登録基準とは、(1)屋内全面禁煙…テラス席・外の喫煙スペースの喫煙の場合はOK。一方、店舗屋内に個室のみ、入り口のみ等のどこか一部に喫煙できるスペースがある場合は不可。(2)ランチの時間帯は喫煙不可だが、夜の時間帯は喫煙可能など、時間帯で区切る場合も不可。(3)加熱式・電子たばこも不可。(4)飲食店側にサイトへ掲載することの了承を得た、の4点。