中国の最果てにまで忍び寄る
不動産バブル崩壊の足音

不動産価格下落が西南端の雲南省まで到達<br />中国人の不動産買い控えで起きること数年前のマンション販売会は大変な人気だったが……

 筆者が拠点とする中国雲南省の昆明、その様子は過去記事「雲南省・昆明――とある中国内陸の地方都市、この10年の変化」をご一読いただきたいが、掲載時の2011年末には『「中国住宅バブル崩壊」とは日本のニュースなどでは聞くものの、この内陸の都市にはその波はまだやってきていないため、市民は「買ったところで売るとき高く売れるし」と楽観視し、今も家の購入や土地転がしに積極的』と書いていた。

 それがどうだろう。年初より値下がりがはじまり、1月には1m2あたり7538元だったのが、2月には7517元、3月には7503元と2ヵ月連続で不動産価格が下落した。微減ではあるが、沿岸部で発生した不動産価格の下落が、昆明にまで届いたではないか。これから昆明で初となる、市内と郊外を結ぶ地下鉄が開通し、そうすれば駅チカ物件の値段が上がり、地下鉄沿線ならば郊外まで値段が上がると予想されていたのに。

 昆明ならば、まだしも雲南省の省都ではある。ここではさらに、大理やシーサンバンナなど、雲南省のさらに奥、ラオス・ベトナム・ミャンマー国境に近い街の高層マンション販売センターをちらほら見かける。こうした最果てに近い街でも不動産価格は上がってきたが、やがて値下がりとなるのだろうか。

 中国各地の不動産価格の指標がわかる「中国房地産指数系統調査数据(中国不動産指数システム調査データ)」によれば、調査対象となる100都市平均の不動産価格は、4月に発表されたばかりの数では前期比で下落、しかも7ヵ月連続での下落だ。ただ、どこもかしこも下落しているわけではなく、中国を代表する大都市を中心に3分の2の都市で下落、残りが上昇、平均では下落とのことだ。