スイスフラン6月1日、スイスは、中央銀行にのみ通貨創造を認める「ソブリンマネー」構想の是非を問う国民投票を10日実施する。写真はスイスフラン。ベルンで2016年4月撮影(2018年 ロイター/Ruben Sprich)

[ロンドン 1日 ロイター] - スイスは10日、中央銀行にのみ通貨創造を認める「ソブリンマネー」構想の是非を問う国民投票を実施する。これまでのところ制度改変への支持率は3割強と低く、提案は否決される見通しだ。

 しかし世論調査では10%余りの有権者の態度はなお未定で、欧州連合(EU)離脱派が勝利した英国民投票のような番狂わせが起きる恐れは残る。その場合、スイスの金融通貨システムが激震に見舞われかねず、投資家は万が一に備えてヘッジの構築を進めている。

 スイス国立銀行(中央銀行)のジョルダン総裁はソブリンマネー構想は「危険なカクテル」だと警戒感を露わにする。

 もし構想が可決されれば民間銀行は自ら管理する預金口座にある資金か、高いコストを払って市場や中銀から調達した資金しか融資できなくなる。中銀の為替市場への介入能力も低下する。

 そうなれば資金の逃避先と位置付けられているスイスフランはボラティリティが高まって恐らくは上昇し、UBSやクレディスイスなど国内金融大手の業績は打撃を受けそうだ。

 JPモルガン・アセット・マネジメント(ロンドン)の通貨ストラテジスト、ニール・ウェラー氏は「こんな制度は例がない。国民投票は株式や債券などスイスフラン建て資産の多くに不透明感をもたらす」と話す。