技術革新が進む現代は
大量生産、一括更新がトレンド

 これまで日比谷線で使われていた東京メトロ03系車両、東武鉄道20000系車両は、いずれも1988年から導入が始まった車両である。30年モノというと、自動車や家電なら骨董品の領域に足を踏み入れているが、鉄道車両にとっては、まだまだ老け込むには早い年齢だ。途中リニューアル工事を挟みながら、40~50年使用されるケースも珍しくない。

 とはいえ電子制御技術や情報機器の技術革新が日進月歩で進む昨今においては、車体そのものには全く問題がなくても、省エネ性能やサービス面で急速に陳腐化してしまったり、あるいは電車を制御する電子機器が型落ちになり供給が難しくなったりすることで、最近では20~30年おきに新型車両を導入する事例が増えてきた。

 嚆矢となったのが、JR東日本が1993年から京浜東北線に導入した209系車両。イニシャルコスト・ランニングコストを徹底的に削減して大量生産を進め、4年間で800両以上を一気に置き換えたのである。

 それまでは毎年少数の車両を製造して、順次寿命が来た旧型車と置き換えていくことが多かったのだが、一括での大量製造よりもコストが高くつく上、サービス面の陳腐化が早くなってきたこともあり、短期間で一気に新型車両に置き換えるケースが増えているのだ。

 ちなみに京浜東北線の209系車両は、置き換えが完了した10年後の2007年には、早くも後継のE233系車両への置き換えが始まっている。今後はホームドアの設置拡大に伴い、ドアの枚数や位置の統一や、対応する機器の搭載が必要になってくるため、こうした車両更新はさらに広がっていくと考えられる。