物価上昇率に加速の兆しがみられない
6月8日、人手不足による人件費上昇や需給ギャップの改善にもかかわらず、物価上昇率に加速の兆しがみられない。都内で先月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 人手不足による人件費上昇や需給ギャップの改善にもかかわらず、物価上昇率に加速の兆しがみられない。日銀は、人手不足に起因した省力化投資など企業の生産性上昇の取り組みが短期的に物価を押し下げるものの、中長期的には成長期待を高めて物価を押し上げる「循環」に期待する。

 専門家からはその実現には数年かかるとの見方も出ており、想定を下回る足元の物価も踏まえ、日銀は分析を急ぐ。

好景気でも鈍い物価上昇

 足元の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は3月、4月と2ヵ月連続で前年比での伸びが鈍化。2月の1.0%から3月が0.9%、4月が0.7%となり、除く生鮮・エネルギーのコアコアCPIも3月が0.5%、4月が0.4%と伸びが停滞している。

 日銀内では、直近の堅調な景気とは整合的でない物価の動きに対し、その要因を分析する動きが続いている。

 4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、この物価の動きについて、1)人々のデフレマインドの根強さ、2)企業が省力化投資の拡大やビジネス・プロセスの見直しなど生産性の向上による賃金コスト上昇の吸収の動き──を挙げた。