「最大の圧力」という言葉をもう使いたくないと語っているトランプ大統領6月10日、シンガポールで12日に開かれる米朝首脳会談を控え、すでにその後をにらんだ北朝鮮との外交や経済活動が動き始めている。北朝鮮が大きな挑発、もしくは核・ミサイル実験の再開に踏み出さない限り、最大の圧力が再び同国に向けられる可能性は低い、と戦略家や学者は言う。シンガポールで11日撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[丹東(中国)/ソウル 10日 ロイター] - シンガポールで12日に開かれる米朝首脳会談を控え、北朝鮮の当局者は中国に出向き、経済開発について協議している。一方、投機筋は北朝鮮との国境沿いの不動産買いに走り、韓国は北方の孤立した隣国への関与を高める方法を模索している。

 核兵器を放棄するよう「最大の圧力」を北朝鮮にかけるというトランプ米大統領の作戦は、米朝首脳会談を前にアジアのそこかしこでトーンダウンしている兆候が見て取れる。

 トランプ大統領は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領などの指導者と同様に、国際制裁と政治的孤立、そして軍事的脅威を組み合わせた圧力作戦により、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を交渉のテーブルに着かせることに成功したと考えている。

 だが、北朝鮮が大きな挑発、もしくは核・ミサイル実験の再開に踏み出さない限り、最大の圧力が再び同国に向けられる可能性は低い、と戦略家や学者は言う。

「トランプ氏の作戦は終了した」と、韓国国立外交院のキム・ヒョンウク教授は指摘。「北朝鮮との外交再開が、すでに圧力最大化作戦をむしばんでいる」と語った。

 トランプ大統領自身も、北朝鮮との関係が改善しているため、「最大の圧力」という言葉をもう使いたくないと語っている。