東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談6月13日、東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談は、逆に日本の安全保障環境を不透明にした。写真はシンガポールで12日撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[東京 13日 ロイター] - 東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談は、逆に日本の安全保障環境を不透明にした。トランプ米大統領は北朝鮮の非核化に向けた道筋を示さず、日本が懸念する中・短距離ミサイルの扱いにも触れずじまい。一方で、米韓合同軍事演習の中止と、将来的な在韓米軍の撤退に言及した。日本政府の中からも、米国に頼る今の政策を疑問視する声が出ている。

見えてきた「米国最優先」

 米朝会談に臨む米国に対し、日本は首脳会談、外相会談、防衛相会談などあらゆる機会を通じ、日本を射程に収めるミサイルの廃棄を議題に取り上げるよう何度も念を押してきた。さらに抑止力を低下させる在韓米軍の撤退や縮小を議題にしないよう確約を求めてきた。

 しかし、ふたを開けてみれば、ICBM(大陸間弾道弾)を含め、北朝鮮の弾道ミサイルの廃棄については、共同文書に盛り込まれなかった。金正恩・朝鮮労働党委員長との会談を終えたトランプ氏の口からも言及がなかった。

「非核化については、少なくとも共同文書に明記された」と、日本の政府関係者は言う。「弾道ミサイル、特にわれわれが懸念する中・短距離ミサイルはどうなったのだろうか」と日本の政府関係者は不安を隠さない。