中南米 2018年6月22日

W杯サッカーの対戦国として注目されたコロンビア
大統領交代で高まる仮想通貨への期待

 コロンビアで流行りつつある仮想通貨

 コロンビアは現在、中南米でもっとも仮想通貨が盛んな国の一つで、個人間の仮想通貨取引をP2P(PEER TO PEER)で行なうLOCALBITCOINS.COMのサイトでも、南米では、経済危機が起きているベネズエラやアルゼンチンに次いで取引量が多い国として知られています。
 
 私もコロンビアで、このサイトからP2Pでビットコインの取引を試みた際に、ビットコインをボゴタで売りたいという人に会い、話を聞いてみました。ビットコイン利用者の多くは、海外からの送金する代わりに、コロンビア国内でコロンビアペソと交換したい人たちでした。
 
 一方、ビットコインのような仮想通貨を買いたいという人は、自国のコロンビアペソだけで資産を持つことに不安を感じている人が多いようです。これは、自分の国が何らかの理由で為替制限を強めている以上、自らの金融資産をどう守るかを考え、資金流動性がある商品を探している人たちという感じでしょうか。

 こうした流れの半面、コロンビアでは仮想通貨に関するネガティブなニュースも多く、同国の最大手である仮想通貨取引所BUDA.COMの銀行口座が、今年に入って凍結されてしまい、この記事を執筆している2018年6月現在、解決の目処がたっていません。
 
 私はコロンビアの首都、ボゴタで行なわれたミートアップに参加したことがありますが、そこで会った多くのコロンビア人ビットコイナーたちは、取引所が中心になって中央集権化されたシステムの仮想通貨取引には懐疑的で、近い将来はP2Pのように非中央集権的で、仮想通貨取引や海外送金もできるシステムの登場を望む人が非常に多いのが印象的でした。
 
 これは、コロンビアだけでなく、中南米全体の仮想通貨利用者が望んでいることのように感じます。中南米には、歴史的に政府の舵取りの稚拙さからハイパーインフレなどを引き起こした国が多く、この地域の人々は中央集権化された仕組みをあまり信用してない傾向がありますが、そのことが関係しているのかもしれません。
 
 仮想通貨が今後どのような方向に向かっていくかは未だ予想がしづらいですが、法定通貨において様々な不便を被ってきた中南米の人たちにとって、逃避資産としての意味も含め、ここ数年、仮想通貨の存在感が増している印象は強くあります。今後、米ドルなどの法定通貨や金の価値とペッグされる、より信頼性の高い仮想通貨が登場してくると、中南米では更に、その需要が高まであろうと感じています。

Bitcoin.comのポッドキャスト開発マネージャーであるマット・アーロン氏(左。右は筆者)。コロンビアを拠点に中南米のエリアを担当している。とても気さくで、ボゴタでの交流をきっかけにドミニカ共和国にも気軽に足を運んでくれるようになりました【撮影/風間真治】

(文・撮影/風間真治)

著者紹介:風間真治(かざま・しんじ)
商社の海外営業、中南米のドミニカ共和国駐在を経て独立。現在はカリブ海に浮かぶドミニカ共和国に住みながら、主に中南米諸国でこれから経済が成長していくような国々を頻繁に回り、未知なる客先を訪ね歩いては様々な新規事業の開拓に取り組む日々。中南米ではいくつかの国に会社を作り、貿易事業、港湾の通関業、不動産事業、インターネット事業、中古車販売業などを手がける。
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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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