「いつもトレーニングジムで一緒でしたからね。性格は本当に真面目で、向上心も持っていました」

 サウサンプトンで結果を残して、ビッグクラブと呼ばれる名門へステップアップしたい――。野望にも近いマネの思いは、わずか2年後にかなう。マンチェスター・ユナイテッドなども獲得に動いた中で、2016年6月にリヴァプールへの移籍が発表された。

 しかも、3400万ポンド(約49億6000万円)に達した移籍金は、アフリカ人選手では史上最高額だった。ボルシア・ドルトムントを強豪へと復活させたカウンター戦術、ゲーゲンプレスを考案したユルゲン・クロップ監督の下で、マネはさらに強烈な輝きを放つ存在となる。

 昨日の友は今日の敵、とばかりにマネと対峙することになった吉田は、名門クラブで遂げた進化の跡を誰よりも感じている一人と言っていい。

「向こうも僕のことを分かっていますし、お互い様かなと思いますけど。ともに手の内をわかっているという意味では、ディフェンダーの方が有利と言えるかもしれないですけど、とにかくサウサンプトンにいた時より格段に成長していますからね」

脅威になるのはマネだけじゃない
猛スピード&長身を生かすセネガルの攻撃

 旧知のマネと、お互いの国を背負って初めて対峙する。19日のグループリーグ初戦で強敵コロンビア代表から大金星を挙げ、世界に衝撃を与えた日本だが、セネガルもFIFAランキング8位のポーランド代表を撃破。勝った方が決勝トーナメント進出へ大きく近づく、文字通りの大一番となった。

 アフリカ予選では右ウイングを務める試合が多かったマネだが、ポーランド戦では左MFとして先発フル出場。リヴァプールでヨーロッパを席巻したスピードと変幻自在なポジショニングは、90分間を通してポーランドに脅威を与え続けた。

 まさに冒頭で吉田が危惧した、メンタル的に「乗っている」時のマネとなる。もっとも、4バックと3バックを使い分けるアリウ・シセ監督の下、セネガルがどのような布陣を選び、マネがどのポジションに配されようと、日本の守備陣が取るべき戦い方は変わらない。

「特別な必殺技というか、見出しでポンと(メディアに)載るようなことはないですけどね」