ザ ロイヤルパークホテル 東京羽田ロビーで香りの演出をしている「ザ ロイヤルパークホテル 東京羽田」

この1~2年、“香り”を用いた空間演出のビジネスが急速に伸びている。ホテルやイベント会場で香りを使えば、利用客の印象がよくなったり、滞在時間が延びたりするという。感情や記憶に直接働きかける香りが秘めるポテンシャルを、ビジネスの最前線で探った。(「週刊ダイヤモンド」編集部委嘱記者 森川幹人)

香りによる空間演出機器の
出荷台数が40%増

「大手アミューズメント施設のチュロスと聞けば、あの甘~い香りを思い出す方も多いでしょう。実は、チュロスの販売スタンドには、香りの演出が施されているんです」

 そう明かすのは、東洋メディアリンクス空間プロデュース営業部の倉地徹部長代理だ。同社は香りを使った空間演出で世界トップを走る米国セントエアー社の機器を代理販売している。

 この1~2年、香りを用いた空間演出のビジネスが急速に伸びているという。東洋メディアリンクスが扱った、セントエアー社製機器の2016年度の出荷台数は、前年比で40%増だ。

 セントエアー社が開発した香りは200種類以上。倉地氏によれば、クライアントの目的は主に三つに分類できるという。