――「反村長派」という言葉があるように、なぜ、飯舘村はこれほど分裂状態になってしまったのか。

 いろいろ言う人はいるよね。確かに、どこに行っても言われる。「村長は暴走している」とかね。でも私は村民のことを第一に考えてやっている。確かに、全村民避難となり、不便で大変な思いをさせてしまって、申し訳ないと思っている。

“矢”は飛んできます
でも、逃げてはいけない

――村民は、村長に対する不満をさまざまなきっかけで抱いているようだが、その一例として、村長が村民へのアンケート調査の実施を拒否したということを挙げる人が多い。それに対してどのように考えるか。

 私は、基本的に村に帰るということを目指している。一部の人は、村民アンケートをとって、そのアンケートで「もう、村には帰りたくない」という人が大半であれば、私の「村に帰る」という目指す方向を、ひっくり返せると考えたんだと思う。

 でも、どこかに逃げると言ったって、国はしっかり面倒見てくれるんですか? 仕事だって、教育、医療、逃げるための費用、そういったことはどうするんですか? 国は全部面倒見てくれませんよ。私は、村に帰るのを諦めて、どこかに逃げるという選択は、日本の恥だと思っています。

 村民から“矢”は飛んでくるんです。それを逃げていてはいけないんですよ。村民懇親会はこれまで何十回もやっています。5月もやりますよ。それから、先日もやったんですが、村役場でも議論をすると、職員からいろいろなことを言われます。この間も2時間やりました。でも、議論をするということは良いことだと思っていて、正常ですよ。コツコツ、議論をしながらコミュニティをつくっていきたいと思っています。

――村民からは村長は「村に帰る」ということを前提に、すべてを考えているのではないかという声も聞く。

 そのようには考えていない。復興計画にも、「村に戻らない人に対する復興」ということを明記している。村に戻る人も戻らない人も、両者ともに村民として復興をしていきましょうと言っている。全員戻ることを前提にとは、していない。