大手三大キャリア「年縛り」に強権発動も視野総務省・公取委の標的は、大手三大キャリア。携帯ショップでは依然として「0円端末」「1円端末」が販売されている Photo by Reiji Murai

「いま乗り換えていただければ、最新のiPhoneが実質ゼロです」。7月初旬、東京都内のソフトバンク直営店。担当するスタッフは、総務省が2016年4月に策定したガイドラインで規制したはずの「実質0円」をアピールし始めた。

 そのカラクリはこうだ。iPhone8の本体価格9万4320円を24カ月の割賦で契約すれば月々の支払いは3930円。これに毎月の購入補助金3210円を適用することで本体価格は1万7280円に圧縮される。その上で、いま利用している中古のiPhoneの下取り価格が1万7280円だという。結果、「実質0円」が実現する仕掛けだが、当局の規制を擦り抜けるグレーな取引はこうして繰り返されている。

 また、NTTドコモやKDDIを含め、大手キャリアの携帯代理店では、スマートフォンの端末代金を丸ごと肩代わりする「一括0円端末」の販売が依然として横行している。代理店が身銭を切って値引きしているという名目のため、キャリアは無関係を装っているが、その値引き原資はキャリアの懐から出ているのは自明だ。