日銀が正常化の鍵を握るのは預金者Photo:PIXTA

 6月13日、米国準備制度理事会(FRB)は7回目の利上げを行い、欧州中央銀行(ECB)も6月14日に量的緩和終了を決め「出口」に向かう姿勢を示した。そして、残るのはいよいよ日本銀行だけになった。

 しかし、2%の物価目標を掲げ続ける日銀は身動きが取れない状況にある。

 筆者はかねて、「日銀版OKルール」とする提言を行ってきた。

 ゴルフで、ゴールのカップに近づいたときにカップインにならなくても、周囲の参加者がOKと宣言すればカップインしたことにするのに倣い、日銀も物価上昇率が厳密に2%に達しなくても長期的にその方向に向かえば、周囲からOKを宣言してもらうこともあるとの問題提起だった。

「日銀版OKルール」は
どうしたら出るか

 問題は誰が日銀に「OK」と宣言できるのか。もしくは誰が現在の状況を「OK」と判断できるかだ。