順天中学校・高等学校の教育理念は「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」。建学の精神にもある“探究”を軸に、体験的な課外教育も多数用意、創造的学力の獲得を目指している。文部科学省のSGH(※)の指定校でもあり、グローバルな活動にも積極的だ。

片倉 敦副校長
順天中学校・高等学校では、同校が育てたい三つの資質・能力を明確にしている。一つ目は「創造的学力(主体性)」。自ら主体的に課題を発見し、その課題を解決する創造的思考のこと。二つ目は「国際対話力(多様性)」。多様な人たちとコラボレーションしながら社会を築くための論理的思考や英語による対話力のこと。そして三つ目は「人間関係力(協働性)」。協働して課題解決に向かう共感的思考のことだ。
片倉敦副校長は「順天では中高6年間で一貫して、英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成します。2020年からの大学入試改革に対応する学力も育みますが、目指しているのは大学合格のための力ではなく、その先に必要となる能力、問題の本質を発見し、探究してゆく主体的な創造的学力の獲得です。その姿勢こそ、本学の建学の精神“順天求合”(自然の摂理に従って真理を探究する)が定めていることなのです」と説明する。
生徒23人の代表団をニューヨークに8日間派遣

順天は長年の国際交流が評価され、14年に文部科学省SGHの指定校になっている。18年2月には、外務省が推進する対日理解促進交流プログラムの一環である「カケハシ・プロジェクト(KAKEHASHI Project)」に参加し、生徒23人の代表団を米国・ニューヨークに8日間派遣した。
プログラムの内容は、在米の日本国総領事館や国連本部などを訪問し同市内を視察、学校交流では英語で日本紹介プレゼンテーションを行うというもの。同年代の青少年と意思疎通ができる程度以上の英語力(英検準2級、TOEIC(R)400点以上)が条件だったが、同校の内進生は中学で60%の生徒が英検準2級を、19%の生徒が2級を取得しており、希望を募ると多数の応募があった。
「現地ではプレゼンの準備もあり、観光する余裕もないほどのハードスケジュール。それでも日頃から課題研究に慣れている生徒たちは、楽しみながらやり遂げました。相手をリスペクトしながらも、自分の立場や意見を主張できる。本校が目指す国際対話力を、しっかりと実践してくれたと思います」と、片倉副校長は手応えを語る。
毎年、SGH活動の一部として開催する「グローバルウィーク」では、昨年5日間にわたり54講座を開設。国内外の大学の第一線の研究者や、企業や団体の職員、順天の卒業生や在校生が、正解のないグローバルな問題について学び合う機会を持った。
また、昨年夏にはキャンパス内に、21世紀型の新しい教育を行うための、地下1階地上3階建てのラーニングコモンズ「RIKENKAN 理軒館」も完成。ピロティー(吹き抜け)があり開放的なスペースでは、生徒と教員が協働しながら探究型課題解決学習に取り組んでいる。
順天にはこのように、主体的な探究心を育ててゆく環境がたくさん用意されている。
※「SGH」……スーパーグローバルハイスクール
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