米国ルーテル教会ミズーリ派によって1953年に創立、2015年にさいたま市の美園新校舎に移転した。小中高の一貫教育が基本だが、中高でも積極的に募集を行う。少人数教育を背景に、生徒の才能を見いだして“伸ばす”教育に定評がある。

浦和ルーテル学院
中学校・高等学校
福島宏政校長浦和ルーテル学院 中学校・高等学校 福島宏政校長

 大切なのは、神様からのギフト(贈り物)である自分の才能を伸ばすこと。本校では生徒一人一人の才能を見いだし、それを十分に伸ばす“ギフト教育”を行っています」

 そう語るのは福島宏政校長だ。同校は2016年の「学力を伸ばしてくれる学校」(森上教育研究所)のランキングで首都圏全域の1位になった。入学時の偏差値55未満の学校が対象だが、同校は卒業時の偏差値の伸びが13.8と飛び抜けて高かった。

 その理由は少人数教育という環境で、生徒一人一人の個性や才能を見極め、生徒に適した個別指導を丁寧に行っているからだ。1クラス20〜25人という少人数。担任を中心に教科や部活の教員たちが、各生徒についての情報を共有。多角的に生徒一人一人の才能を見いだしてゆく。

「たとえ本人でも、自らの才能を見いだすのは難しく、保護者にとってもそれは同様です。自分が好きなことと才能が違うこともあります。教員たちは日々の学校生活の中で生徒をきめ細かく観察し、その子の才能を見いだして親身にアドバイスをしていくのです」(福島校長)

徹底した個別指導で
才能と学力を伸ばす

 昨年度から、そのギフト教育を発展させた「フィールドプログラム」がスタートした。生徒たちは「アーツ」「イングリッシュ」「サイエンス」の三つのフィールドから関心のある分野を選択、アクティブラーニング、校外体験学習、資格取得などの学習活動を行う。選択した分野を学習していくうちに、本来の自分の才能に気付くこともある。将来の進路実現に向け、楽しく学びながら、才能と学力を大きく伸ばしてゆく。

 同校では進路が決まると、徹底した個別指導が行われる。例えば地学を選択する生徒が1人でも、専任の教員が付いて受験講座を行う。芸術系の大学を目指すなら美術担当の教員が、医学部なら理数系の教員がマンツーマンで指導を行う。夏期講習なども全て無料であり、まさに塾や予備校へ行く必要がない環境が整っている。

 一人一人の個性や才能を尊重するため、必然的に進学先も多彩になる。東大、東京芸大、医学部、早慶上理、GMARCHなど、進路先は実に幅広い。米国の姉妹校の大学に進学する者もいる。

 高校の進路指導では三者面談を年8回行い、家庭の協力も得ながら目標を実現するために今何をすべきか、丁寧にアドバイスを行う。「生徒の素質や才能を尊重し、やるべき課題を適切に与えれば、子どもたちはきちんと伸びてゆくのです」と、実感を込めて語る福島校長。今後の課題として新しい時代に即した高大連携の道も模索中だ。

浦和ルーテル学院は、2015年1月「浦和美園」に新築移転、最新の設備と豊かな自然に恵まれた環境の中で、生徒一人一人に愛情を込めて育てあげる浦和ルーテル学院は、2015年1月「浦和美園」に新築移転、最新の設備と豊かな自然に恵まれた環境の中で、生徒一人一人に愛情を込めて育てあげる

 教員と生徒の間に垣根がなく“学校全体が大きな家族”という同校。一人一人のたまものである才能や長所を見いだし、幸福になれる人間を育てる教育がここにある。