実際に、出光の17年度当期純利益は前年度比84.1%増の1623億円と過去最高益をたたき出したにもかかわらず、配当性向10.2%と株主還元には消極的だったからだ。

 その統合条件について、村上氏の発案の有無を尋ねたところ、出光の広報部は「答えられない」としている。とはいえ、市場関係者は「村上氏のアイデアなのは明らかだ」と推測している。

実を取った大きな代償

 統合を急いだ出光と昭シェルは、互いが当初求めていた対等合併ではなく、株式交換によって昭シェルが出光の子会社になるという“軍門に下る”手法を選んだ。

 昭シェルの亀岡剛社長は「国内における業界環境からして、統合は待ったなし。形式上、昭シェルは子会社となるスキームだが、新会社の取締役、役員についてはフェアな形で選出していく」と語った。つまり、名より実を取った格好だ。

 もっとも、その代償は小さくないかもしれない。

 結果として、アクティビストら外圧の介入により創業家を説き伏せることに成功し、経営統合という大目標を実現できた側面がある。

 それによって、新生出光の経営陣は、アクティビストが突き付けたとされる高い要求に振り回され続けることになる。経営の自由を奪われた出光は、苦難の船出を強いられそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 堀内 亮)