経営×ソーシャル
企業の遺伝子
2018年7月31日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

シャボン玉石けん、17年間の赤字に負けず「無添加」を追求した職人気質

シャボン玉石けん森田社長に、クオン代表が聞く

創業100年を超える無添加石けんのパイオニア。大量消費時代、17年間赤字でも、一貫して無添加に徹底的にこだわり、石けんの技術で環境を守り続ける――。オンライン消費者コミュニティの開発・運営を手がけるクオン株式会社の武田隆代表取締役が、シャボン玉石けん株式会社 代表取締役社長の森田隼人氏に、同社の「企業の遺伝子」を聞いた。(この記事は2017年12月7日収録のラジオ番組『企業の遺伝子』の内容を活字にしたものです/オリジナル番組制作:JFN、番組企画:クオン株式会社、画像提供:シャボン玉石けん株式会社、構成・編集:編集工学研究所、番組パーソナリティ:武田隆、春香クリスティーン)

「無添加」という言葉を
初めて食品以外で使った

森田隼人(もりた・はやと)
1976年生まれ。福岡県出身。専修大学卒。2000年シャボン玉石けん入社。父である先代と働く中で「健康な体ときれいな水を守る」想いを学ぶ。2002年に取締役副社長、2007年より代表取締役社長(3代目)。2007年石けん系泡消火剤を本格発売。2009年には本社内に「感染症対策研究センター」を開設し、広島大学と共同で手洗い石けん「バブルガード」を開発するなど新たな挑戦をしている

春香 シャボン玉石けんといえば無添加石けん。この業界のパイオニアだそうですね。

森田 はい、「無添加」という言葉を食品以外で使い出したのは、我々が最初だと思います。

春香 会社はどのようにスタートしたんですか?

森田 創業して2018年で109年目になりますが、創業当時から石けんをつくっていたわけではないんです。109年前、私の祖父が「森田範次郎商店」という店を福岡の北九州若松で創業しました。日用品雑貨全般を扱う小売雑貨商だったと聞いています。

春香 具体的にどんなものを扱っていたんですか?

森田 紙類、草履、鍋などの日用品を扱っていました。当時の北九州の若松は石炭の積出港として栄えていたので、商売は順調でした。ただ、鍋はそう何度も買いませんが、石炭を扱う人々は体が汚れるので石けんをたくさん使いますし、なくなればまた買います。祖父はそこに注目し、石けんの販売に特化していきました。

武田 北九州の炭鉱とともに生まれ育っていったのですね。

森田 ですが、石炭景気が翳りを見せた時に、商売も場所を移し、私の父の代に替わっていくんです。



武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者]

日本大学芸術学部在学中の1996年、前身となるエイベック研究所を創業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発し、複数の特許を取得。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。これまでに森永乳業、ライオン、資生堂ジャパンをはじめ、300社超のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア(矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリンと大阪に支局を開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、ロングセラーに。また、CSR活動の一環としてJFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」のパーソナリティも務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


企業の遺伝子

私たちが日々の生活で接する商品やサービスは、それらを生み出す企業のアイデンティティの"結晶"でもある。その企業はどんな経緯で創業され、どのような人たちが組織に集い、どのような想いでモノづくりをしているのだろうか?企業のアイデンティティはどれひとつとして同じものはなく、それぞれに個性的でドラマチック。そこに否応なく映し出されるのは、いくつもの歓喜と困難を経験し、時代を超えて受け継がれる“企業の遺伝子“だ。この連載では、注目企業に宿る彩り豊かな遺伝子のストーリーを、各社のキーパーソンたちが語り尽くす。聞き手は、オンライン上のマーケティング施策「消費者コミュニティ」の構築・運営を通じて累計300社を支援してきたクオン株式会社の代表・武田隆氏。

「企業の遺伝子」

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