「二つを所有する人」は、参加52ヵ国中、高所得国で7割近く、中~低所得国では4人に1人が該当するが、すべての国で血圧は上昇するわ、肥満傾向になるわで、よいことナシである。しかも中~低所得国では、糖尿病発症と自家用車/テレビの所有が関連するなど、「現代病」がじわじわ蔓延していく様子に薄ら寒くなる。ただ一方では「家でゴロゴロ」の誘惑に逆らって、休日にしっかり汗をかく運動を習慣にしている場合は、所得水準によらずMI発症リスクが下がることも証明された。

 ともあれ、1日30~60分程度の運動が循環器系や代謝系の健康維持に貢献するのは科学的に証明された事実。同報告ではなぜか「ウシや家畜を所有したほうが、MI発症リスクが22%は下がる」と大まじめなデータも示されているが──中~低所得国への警告だろうか、日本のビジネスマンがウシを飼うなど無理な話。要は、休日くらいクルマやテレビを封印して体を動かすことなのだ。「座りっぱなし」の仕事に就いている方はなおさら、である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド