お金に余裕がなくなると、何もする気が起こらなくなりたまる洗濯物

 西新宿の自宅は築30年近くで、外壁がけばけばしい原色に塗装されたマンションの一室。家賃は6万2000円。窓を開けると、隣の雑居ビルの壁がすぐ目の前まで迫り、エアコン室外機の鈍い音が流れ込んでくる。5畳半のワンルームにはベッドと机、ソファが置かれ、大量の洗濯物が…。

「ほとんどゴミ屋敷ですよね。お金に余裕がなくなると、何もする気が起こらなくなっちゃうんですよね」

 北海道内陸部の地方都市で、3人姉妹の末っ子として生まれた彼女は、地元の高校を卒業するとすぐに札幌に出て、配管工事会社の事務職に就いた。

「父親が、水道工事の仕事をしている関係で紹介されたんです。社員15名ほどの小さな会社でした。正社員採用でしたが、給料は手取りで16万円ほど。でも、家賃2万円の社員用アパートに住めたので、今より生活は楽だったような気がします。彼氏もいたし、わりと楽しかったかな。何より精神的に楽でしたね。私以外に女性は経理のおばさんが1人しかいなかったので、気を使わなくてよかった」

 彼女は、そう振り返った後、今の心境についてこう語る。

「こっちに来てからは、周りはキラキラ系の女子社員ばかり。とくに実家住まいのOLとは大きな格差を感じます。自分だけが貧乏で、かわいそうな子みたいな気分になって、それがすごく辛いですね」

 札幌の会社には約5年間勤務したが、当時、付き合っていた彼氏が川崎の工場に働きに出たのを機に上京した。23歳になっていた。

「当初は、蒲田にあった彼の部屋に転がり込んだ形ですね。貯金は300万円ほどありましたが、彼氏が職場で上司とケンカして仕事を辞めてしまい、最初の1年で貯金はほぼ底をついてしまいました。今ですか?私にもうお金がないとわかったら、すぐに別の女のところに行っちゃいました。いまさら田舎に帰る気にもならなくて、だらだらとこっちに居着いちゃった感じですね。今、恋人はいません」