ちなみに現在の金利をベースに考えた場合、35年の住宅ローンで元利均等返済をすると10年後に元本は26%減少している。頭金が1割なら借入は9割なので、その9割の26%が減少すれば、物件価格に対して9割×26%=23%が減っていることになる。売却の仲介手数料が3%なので、10年後に20%以上価格が下がることがなければ資産は増えていることになる。つまり、売却すると手元資金が当初の頭金以上に増えたことになる。

 では購入する際に、その物件が10年後にいくらになっていそうか、将来を予測することができるのだろうか。それが今回のテーマである。
 
 物件が購入時より+5%の値上がり予測になるなら、値上がり率の5%+20%=25%を資産形成したことになる。実際、「住まいサーフィン」で自宅査定した人は71%が購入時より値上がりし、99%が資産を増やしていた。その額は値上がり額が10%で+620万円、増えた資産額は物件価格の38%で+2200万円が平均値だった。これが意味することは、値上がりした金額が投資としての儲けに当たり、その間返済した元本(上記の場合、1580万円)が実質的に貯金していたことになり、売却で手元に返ってくることを意味する。多くの人にとって、普段何気なく住んでいる自宅は、それだけ資産形成をやりやすい物件だったという何よりの証拠である

過去には購入時より10%値上がり
しかしこれからの10年は厳しい

 先ほどの平均値上がり率が10%というのは、言い換えると、6000万円のマンションを買って10年経過して6600万円で売れるということだ。かなり虫がいい話ではあるが、現実でもある。これは相場自体が上昇した影響が大きい。2013年に上梓した拙著『マンションを今すぐ買いなさい』で、筆者は「新築マンション価格は2年で25%値上がりする」と述べたが、ほぼその通りになった。

 しかし、今後10年はそこまで上がることは想像しにくい。その根拠は、「相場が上がったからそろそろ下がるはず」といった周期変動の話ではない。将来価格を最も正確に予測するための外的要因は人口である。東京でも人口増加スピードが鈍化し、行政区単位では早々に鈍化し始めると予測されているからである。