「まず課長に退職を伝えた際に2週間粘られ、部付部長への報告で2週間粘られ、人事権を持つ部長に行きつくまでに1ヵ月以上かかりました。引き留めの際も『転職しても何もできないぞ』『親御さんが何て言うか分かるだろう』とまるで大犯罪者になったかのような気持ちでした。退職前に知っていれば、相談してみたかった」(20代男性)

 EXITは主に会社と依頼者の間に入り、円滑な退職をサポートする。辞表や保険証などのやり取りは依頼者がする必要があるが、連絡は全てEXITが担う。7月26日時点での退職成功率は100%。顧問弁護士の指導のもと、大きなトラブルに発展したこともないという。

退職理由の共通点は「職場環境」

 依頼者の職業は様々だが、傾向も見えてきた。

「中小、零細企業が一番多い。業種は介護や建設、飲食が目立ちます。最近ではIT企業などのサラリーマン的な方からの依頼も増えました」(岡崎さん)

 中でもエンジニア職の場合、その人1人に任せる裁量の大きさから退職を渋られることもあるという。しかし、「その人がいなくなって業務が回らなくなるのであれば、それは個人の責任だけではなく会社にも責任がある」と新野さんは指摘する。

 また、ヒアリングする中で退職理由に共通点があることにも気付いた。

「いわゆるブラック企業のような働き方に疲弊する依頼者もいましたが、圧倒的に多いのは職場環境が合わないという理由。コミュニケーションを取りづらかったり、怒鳴られたりすることで人間関係に疲れてしまうケースが目立ちます」(岡崎さん)

代行依頼が多いのは大阪、兵庫、和歌山など関西圏

 依頼者とのやり取りはメールやLINEがメイン。全国各地から依頼が殺到しているが、中でも大阪、兵庫、和歌山、三重の関西圏からの依頼が多くきている。意外にも地方からの依頼が目立つが、「地元の先輩の会社で働いていたり、家族ぐるみの付き合いがあったりと辞めづらいのでは」と新野さんは分析する。