警備員写真はイメージです Photo:PIXTA

 これまで当連載では主にお金の視点から「人生100年時代」に関してお話ししてきました。私は資産運用会社に勤めているお金の専門家なので、まずは得意分野であるお金、特に資産運用についてお話ししたのですが、老後に快適な生活を送るうえでより大切なのは安定的な収入を確保することであり、それを達成する手段は何も資産運用だけではありません。むしろ低金利で今後期待できるリターンが低下している今、資産運用で安定した収入を獲得するのは難しいと言わざるを得ません。また資産運用という概念はまだ日本では馴染みが浅いので、おそらく多くのオヤジの皆さんは、まずは定年退職後も働き続けることで収入を得ることを考えるでしょう。では、今の老後の就業状況はどうなっているのでしょうか?

 まずは皆さんよりも一歩先を行くジジイたちの現状について見ていきたいと思います。

サービス業や保安業で、非正規で働くことが多い

 残念ながら、現状はあまりジジイたちにとって望ましい状況とは言えません。平成28年の「労働力調査」によると、65歳以上の高齢就労者の52%が会社役員や自営業ではなく雇用者で、うち約75%がパート・アルバイト、契約社員や嘱託などの非正規雇用となっています。その中の約29%が「自分の都合の良い時間に働きたいから」との理由からあえて非正規雇用を選んでいるようですが、結果として非正規のジジイたちの平均賃金は年間227万円(平成29年賃金構造基本統計調査)で同世代の正社員よりも60万円以上も安くなっています。