住宅街から見上げたイタリア・ジェノバの橋崩落部分8月23日、イタリア北部ジェノバで14日崩落した高架橋の下で暮らす住人は、長年この橋がぼろぼろの状態だと知っていた。ジェノバで17日、立ち入り規制区域となった住宅街から見上げた橋の崩落部分(2018年 ロイター/Massimo Pinca)

[ローマ/ミラノ 23日 ロイター] - イタリア北部ジェノバで14日崩落した高架橋の下で暮らす住人は、長年この橋がぼろぼろの状態だと知っていた。この橋から、これまで破片が住宅や車に落下し続けていたからだ。

 高架橋の上を走行していた車を巻き込み、43人が犠牲となった事故発生の1ヵ月前には、住民が高速道路の保守を担当するジェノバの責任者と会合を持ち、対応を質問していた。

 隣国フランスとジェノバを結ぶ高速道路が通るこの高架橋は、高さ約50メートル、長さ1.2キロのつり橋で、数十年にわたり海風にさらされ、徐々に腐食が進んでおり、常に補修作業が必要な状態だった。

 住民は、我慢の限界に達していた。先月18日の会合では、昼夜を問わず行われる補修作業が睡眠の妨げになっていると、高速道路の運営会社アウトストラーデ・ペル・イタリアの職員2人に対し、彼らが不満をぶつけていたことが、市議会が公開した録音で分かった。

 しかし、その席上で建設から51年経ったこの橋の安全性について質問した人は、誰もいなかった。イタリア北部でよく見受けられる、公共機関に対する高い信頼の表れともいえるが、その信頼は今回の崩落事故により、根本から揺らいでしまった。