轡田 想定の3倍ほどの希望者がいて、うれしい悲鳴です(笑)。新人から管理職まで、万遍ない層から手が挙がっています。

島村 それは素晴らしいですね。ただ、先ほど、自立・主体・能動というキーワードを挙げていただき、競争力の強い会社になるための個の力というお話もありました。こういったものが強化されることで、もともとの社風である仲の良さ、居心地の良さが失われる可能性があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

轡田 そこはあまり変わらないのではないかと思っています。たとえば、なんとなく過ごしていればなんとなく昇進できる会社も、仲が良く居心地のいい会社と表現できるでしょう。でも、そこについては厳しくもありたい。市場競争環境が激しくなる中で、その競争に勝つためには、自立的学習風土を醸成することは必要なことだと思っています。

島村 すると今後は、人事主導の研修をどのようにバージョンアップさせていきますか。

研修の内製化を通じて
競争力の強い個を実現

轡田 より競争力のある強い会社になるために、例えば個人的な意見ですが、手挙げ型研修の内製化を推進して、社員同士で教え合う文化を築いていこうと考えています。そう思うのには、私自身の経験もあります。人に教えるというのは、楽しいことなんです。少し前まではその教える目的は組織の成果を最大化することでしたが、最近はそれに加え、若手1人ひとりに教えることに大変やりがいを感じています。

 なので、多くの人がこうした人に教える経験をすれば、この会社での仕事や人の育成によりやりがいが生まれるのではないかと思うのです。今、社内では手挙げ型研修への関心が高まっているので、そこでスキルや知識が磨かれた強い個が、学んだ知見を自分以外の社員にも教え合うようにしていくことで、私たちが目指す会社を早期に実現できるのではないかと考えています。そこには、私たちの会社に元々ある、仲の良さが十分に活きてくると思っています。

島村 なるほど。研修の内製化を通じて、競争力の強い個を実現されようとしているわけですね。お互い、切磋琢磨するなかで教えあうことができるのは、御社の社風でもある仲の良さがなせる業なのだと思います。貴重なお話をありがとうございました。